みなさま、こんにちは☺️オンラインスタッフのケコです。
5月に入り、お問い合わせの中にも、少しずつ増えてくる言葉があります。
「今年の新茶は、もう出ていますか?」
春のあいだ、静かに育ってきた茶畑では、いままさに新茶の季節を迎えています。
やわらかな新芽が一斉に芽吹き、
朝露をまといながら、光を受けて伸びていく。
その景色は、毎年訪れるものですが、同じものはひとつとしてありません。
今年の春は、どんな気候だったのか。
雨の量、朝晩の冷え込み、日差しの強さ。
そのすべてを受け止めながら、茶葉はゆっくりと育ちます。
だからこそ、新茶には「その年だけの味わい」があります。
いま、茶畑では、ひとつひとつ丁寧に新芽が摘み取られています。
やわらかく、みずみずしいその葉は、摘まれたその瞬間から、すぐに次の工程へと進みます。
蒸し、揉み、乾燥させる。
その工程の中で、茶葉の持つ香りや味わいが、少しずつ引き出されていきます。
この時期の茶葉はとても繊細で、
ほんのわずかな違いが、仕上がりの味に大きく影響します。
その年の状態を見極めながら、
人の手と経験によって、ひとつの「新茶」として整えられていきます。
こうして仕上がった新茶は、
みずみずしく、若葉のような香りと、
すっと身体に馴染む軽やかな味わいを持っています。
一口含んだ瞬間に広がる、青々とした香り。
そのあとに続く、やわらかな甘みと、静かな余韻。
それはまるで、
いまこの瞬間の季節を、そのまま口に含むような感覚です。
新茶は、毎年訪れるもの。
けれど、その一杯は、二度と同じものにはなりません。
だからこそ、今年の新茶を味わうということは、
「いまの季節を受け取ること」でもあります。
忙しい日々の中では、
季節の移ろいをゆっくりと感じることは、少し難しくなっているかもしれません。
けれど、いまこの瞬間、茶畑では新茶が生まれ、
その時間が確かに進んでいます。
その一杯を通して、
ほんの少しだけ、その流れに触れていただけたら。
今年もまた、新茶の季節がやってきました。
そのはじまりを、どうぞゆっくりと味わっていただけたら嬉しいです。
その一杯が、今年の春の記憶として、静かに残るものになりますように。
